本の話 - 和田竜「忍びの国」


2008 新潮社
和田 竜 先生
(リュウではなくリョウと読む)

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第139回直木賞(2008年上半期)ノミネート!
第6回本屋大賞第2位(2009年)!
かつて無いようなデビュー作「のぼうの城」

そして2作目の今作
デビュー作を超えられない作家が少なくない中

先生はいとも簡単に飛び越えてきた

一言で言えば
「めちゃくちゃかっちょええ~」
作品だ

歴史モノや時代モノは
文章が凝っているために(ただのカッコつけ?)
どうしても読みづらい印象があるが
先生の文章は短く的確
言葉運びも上手くストレスなく
スイスイ読み進めることが出来る

そう
シーンや人物像が
スムーズに浮かんでくるのだ

これは意外に重要で
先生方の力量を図るポイントとして
重要視している

主人公である忍びの活躍に
良く合った文章と言える


内容は
あの織田信長も
一目置いていた伊賀忍者を
伊賀忍者の中でも最強の忍者
「無門」を通して描いている

その「無門」の強さが
いちいちかっちょ良い

臨場感もバッチリな
戦シーンも満載だ

しかしながら
想像していた忍者像が
やや崩れる

みんなとても人間臭いのだ
しかもかなりセコイw

ここらへんは前作同様
先生の描き方が上手い
現代にも居そうな感じで描いてくれる


褒めまくりの展開だが
一つ苦言を呈したい

物語の途中で主要人物のその後を書いてしまっているのだ
これは正直勿体無いと感じる

しかしながらそんな部分なんぞ
まったく気にならないほど
面白い展開が止まらない!

ロッキー3のようなラストも
とても粋でかっちょええし
余韻を残してくれる

おかげでしばらく
戦国モノ歴史モノブームが続きそうだ


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