映画の話 - 山田洋次「運が良けりゃ」

1966 松竹
山田 洋次 監督

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ハナ肇
倍賞千恵子
山田洋次監督
この3人が集まって面白くない訳がない

落語
「らくだ」をベースに
「突き落とし」「秋刀魚火事」
「黄金餅(こがねもち)」
が上手く盛り込まれている

特に「らくだ」と「黄金餅」のつなぎが秀逸

物語は
江戸の貧乏長屋が舞台
ハナ肇演じる「左官の熊五郎」と
その取り巻きのドタバタ喜劇だ

後の「寅さん」と比べると
寂しさ・侘しさなどの哀愁は皆無
ひたすら
「金はねぇけど威勢は良い」展開

さすが高度経済成長期!
とにかくやっちまえ~
何とかなる的でアナーキーだ
映画界に勢いがあった証拠と言える

死んだ婆さんを人形替わりに連れ回し
挙句の果てに焼き場で焼く
さらに遺体を引っ掻き回し
腹からお金の入ったお餅を取り出し
みんなで山分けしちゃうくらいなのだw


「熊五郎」そのもの?と言えるほど
ハナ肇の自然な演技が素晴らしい

アタマを空っぽにして観ることが出来
観終わった後にはまったく何も残らない
これが良い


山田洋次監督 初の時代劇作品だが
セット・台詞回し共に違和感はなく
素晴らしい

貧乏長屋に咲く「桜」がとても美しく印象的
後の寅さんの妹「さくら」のキッカケかも知れない
もちろん渥美清も客演している

落語の映像化は数あれど
これほどの爽快な作品はそうないだろう
さすが山田洋次監督

題名の「運」と
「ウ○コ」を掛けてるのも
粋でアナーキーだw


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