映画の話 - 明日、君がいない

2006 シネカノン
オーストラリア映画
ムラーリ・K・タルリ監督

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2006年カンヌの話題作

親友を亡くした(自殺)コトがキッカケで
この映画を19歳から撮り始めたそうだ

いろいろな秘密・問題を抱えた
高校生をリアルに描いている

原題は「2:37」


邦題を付けるのはかなり大変だったはずだ
なかなか頑張った方だと思う


物語は…
オーストラリアのとある高校
ある日 学校のとあるトイレが開かなくなる
中に向かって声を掛けたり扉を叩くが
一切 中からの反応はない
ふと下を見ると血が流れてきた…
午後2:37の出来事だ

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厳格な父親のプレッシャー
ゲイであるコトをカミングアウトした弊害
それを打ち明けられない男
排尿障害
イジメ
これ以上 親に迷惑をかけられない…
とてつもない孤独感
そして
してはいけない妊娠

プラタナスの葉越しの空はいつも曇り
終始暗い校内
周りのみんなはとても楽しそうだ
自分を除いて…

そして
そのプラタナスの葉が
鉄条網に変わる

そんな
不安定で多感な時期を
映像が上手く表現
している

薄く掛かる不協和音
もの悲しげなサティなど
音楽も効果的


初監督作品
そして俳優陣も若いが
なかなか頑張っているのが
画面から伝わってくる

しかしながら
「それで一体どうしたいの?」
と言いたくなるのが正直なところ


エンドロールと共に
サティ「ジムノペティ第1番」をアレンジした
「私を忘れないで~私はここに居るのよ~」的な歌詞の曲が流れる

もう如何にも過ぎて
ちょっと付いていけない感じ

この映画により
「ひとりでも多くの自殺者が減って欲しい」
と監督は願っているらしいが
「孤独なのは自分だけじゃないんだ…」と
残念ながら思えなかった
のはオイラだけなのだろうか

とある先生は高評価だったが
オイラには繊細な感性が皆無なためか
そんな高評価は到底できそうもない

個人的には
オススメ出来ない映画だ




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