本の話 - ドミニック・ローホー「ゆたかな人生が始まるシンプルリスト」

2011 講談社
ドミニック・ローホー 先生
笹根 由恵 先生邦訳

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原題は
「L'art des listes
simplifier, organiser, enrichir sa vie」
(芸術のリスト
整理、簡素化、自分たちの生活を豊かに…)


この本の内容を
的確に表現している文言が
冒頭に掲げられている


人生をシンプルにしたい人
自分を好きになりたい人
思い出を大切にしたい人
ささやかな喜びを見つけたい人
本当に進むべき人生の道を見つけたい人
---そんなすべての人へ捧げます。


要は
「すべての物事をリストアップし客観的に見直せ!
そしていいトコ取りしちゃえ!」


最初に
本当の自分を再発見する
コトから始まる
そのためにリストが必要としている

リストは心を導く道具なのだ


そして無駄を省き
毎日をシンプルに生きる


そのためにはやはりリストアップ

と言うように
しきりにリストアップを薦めてくる

目次をなぞると…

幸せを再生産させるリスト
五感を磨くリスト
自分と人生をもっと好きになるリスト
悩みから解放されるリスト
恋愛の苦しみを昇華するリスト
魔法のようなリスト

「人生の脚本家は私自身」と定義
リストアップによる脚本の肉付けの必要性
切々と訴えている


いかにも
それっぽい自己啓発臭むんむん
毛嫌いしそうな内容だが
読んでみると意外なほどストンと入ってくる

それは先生が
フランス人女性であるが
日本の大学で教鞭をとった経験もあり
全編を通して
日本人にとても似通った(波長が合った)空気が流れてる

せいかも知れない

非常に心地よいのだ


中でも各テーマの冒頭に出てくる
生きるヒント的な「言葉」のチョイスが絶品

例えば…

花も美しい 月も美しい
それに気づく 心が美しい 
禅の格言



海外の哲学者はもちろん
清少納言・正岡子規・一休宗純…など
素晴らしいチョイスだ~

先生の精神状態を
そのまま映してる
ような
シンプルスッキリ豊かな一冊と言える


しかしながら
リストアップの数が多すぎて
手を付ける以前に躊躇してしまう
のが正直なところだ


ぶっちゃけ
シンプルな生活を送る以前に山積みされたうんぬん
と恨み節を言いたくなるがそれも…

リストアップして片付けられる!
とある


もちろん
先生の生き方・思想には諸手を挙げて賛成だし
理想的な生き方で真似したいとは思う

数多く世に出ている
この手の自己啓発本にしては
装丁もオサレで入りやすいかもしれない

まぁタイトルもまったく嘘偽りはない

ちょっとオサレにゆたかな人生を始めたい方
中でも女性にオススメな一冊


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