本の話 - 池波正太郎「愛蔵新版『男の作法』」


1981 ごま書房
池波 正太郎 先生

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剣客商売
鬼平犯科帳
仕掛人・藤枝梅安
で有名なあの池波先生の
ダンディズム満載の一冊

あの主人公たちの粋な振る舞い
その作家である先生が
粋でない訳がない!

最初から終わりまで
何から何まで粋

初っ端の「はじめに」
先生の性格がよく出ている

先生曰く

男のいうものが、どのように生きていくかという問題は結局
その人が生きている時代そのものと切っても切れない関わりを持っています。
この本の中で私が語っていることは、かつては「男の常識」とされていたことばかりです。
しかし、それは所詮、私の時代での常識であり現代の男たちにはおそらく実行不可能でありましょう。
時代と社会がそれほど変わってしまっているということです。
とはいえ「他山の石」ということわざもあります。
男をみがくという問題を考える上で、本書はささやかな一つのきっかけぐらいにはなろうかと思います。

とのこと

実行不可能でありましょう…と
ややあおり気味なところが恐ろしい

要は
「オレらの時代じゃ常識だけど
おまんらにはちょっとねぇ…プゲラッチョw」
とも取れる


内容は以下のとおり

「食べる」
店構えの見方~寿司・蕎麦の食べ方
「住む」
家の建て方~男をみがく暮らし方
「装う」
靴・ネクタイの選び方~男の顔のつくり方
「付き合う」
約束の仕方~男を上げる女との付き合い方
「生きる」
仕事の仕方~理想の死に方

上記のように
「衣・食・住・生き方」と幅広く語っている

さらに
先生の若いころの失敗談
先輩から教え込まれた作法
嫁と親との間に挟まれた男の取るべき言動
となかなか聞くことが出来そうもない
興味深い話も満載


「はじめに」にもあるように
先生の時代だからこそ
このような生き方が産み出されたんだろう…
と言えばそれまでだが
ささやかな一つのきっかけぐらいどころか
このような生き方・言動が出来たら良いなぁ
と心底思えること請け合い

単純に「粋でかっちょええ」のだ

現代風に例えると
先生がこれまでの人生で培った
粋な「ライフハック書」とも言えよう

けっして「おまんらプゲラッチョ」ではなく
この粋の文化・男の作法を絶え間なく受け継いでほしい…
との裏メッセージも充分感じることができる

オイラもこの本で男っぷりをあげ
ホンモノの男の顔つきになりたい
ものだ

それなりの年齢の男性に
なかなかオススメな一冊

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