本の話 - 中田永一「くちびるに歌を」

2011 小学館
中田 永一(乙一)先生

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素晴らしい青春小説

女性作家のような繊細な語り口
行間から湧き出るメロディ
さすが乙一先生!

潮の香りが漂ってくるほど
物語を的確に表現している表紙・装幀も
見逃すことが出来ない
(見開き)

題名と合わせとても良い仕事

是非とも映像化・映画化して欲しい小説
この原作に彼らの合唱が合わさったら
活字以上のパワーを持ったスゴイ作品になり得る
こと間違いなしだ
(アンジェラ・アキも出演させるべき)

物語は
長崎県五島列島のとある中学校合唱部
毎年7月末に行われるNコン(NHK全国学校音楽コンクール)地方大会へ臨む
少年少女たちの青春の1ページだ

全編を通して流れ続ける
アンジェラ・アキ「手紙 - 拝啓十五の君へ」
P∨(プロモーション・ビデオ)もとい
PN(プロモーション・ノベル)の様相を呈している

アンジェラ・アキ「手紙 - 拝啓十五の君へ」は
この小説により特別な一曲に生まれ変わった

是非とも読む前に↓を聴いて欲しい




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そして読後に↓以下の動画を再生して欲しい
もちろんハンカチは用意しなければならないだろう



最後に
主人公の一人・男の子のお兄さん(自閉症)の使い方に
賛否両論あると思われるが
個人的には問題無いように感じる

彼が居なくてはこの物語は
薄っぺらな青春小説
で終わっていただろう

彼を囲んだ
とあるシーンはこの物語のハイライトと言える

野暮なことは言いっこ無し
素晴らしい青春小説を堪能しよう
ではないか



読後
Nコンをチェックしちゃうこと間違いなしだ

2012年度本屋大賞4位


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