本の話 - 伊坂幸太郎「仙台ぐらし」

2012 荒蝦夷
伊坂 幸太郎 先生

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今 日本で一番新作が待たれる作家
の一人である伊坂幸太郎先生

その先生が暮らしている仙台市の定期刊行物
『仙台学』に寄稿したエッセイを中心に
まとめられた一冊だ
もちろん書き下ろし短編も収録

2005.06~2012.02
日々の暮らしを綴ったエッセイであり
当然2011.03.11の震災にも触れている

読んでみるとわかるが
その震災が前半と後半を分断
前半のノホホンとした空気を一変させており
当初の目的であるこの本の趣旨が
激変する様子がよく分かる

先生自身もそこに触れており
この本が震災本として括られてしまうことを危惧
本来の目的・意義を
修正せざるを得ない葛藤を吐露している

しかしながら結果的に
この震災が「仙台在住の作家の日常」を
より色濃く切り取ってくれた
のではないだろうか
(不謹慎ではあるが許して欲しい)

あれほどの面白い作品を
次から次へと産み出す先生が
ほんのちょっとしたことに心配・悩み続け
そして小さな復興に涙を流す

人気作家・夫・父親である
等身大の伊坂幸太郎が垣間見える

震災後の
「先生の決意表明(先生なりの精一杯の復興だ)」とも
受け取れるような部分もあり
震災体験が今後の作風に
どのような影響を及ぼすのか興味は尽きない


そして震災後一発目である
書き下ろし短編「ブックモビール」を読み
これまで以上に楽しい作品を
産みだしてくれるであろうと確信
できた

次回作が待ち望まれる作家の一人であることは
当分揺るぐことはないであろう


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