本の話 - 辻村深月「鍵のない夢をみる」

2012 文藝春秋
辻村 深月 先生

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ザラザラした気持ちが
なかなか鎮まってくれない

辻村先生作初体験だったが
なかなか満足
できるものであった

物語は
女性視点から泥棒・放火など
5つの犯罪を描いている

女性特有の見栄・プライド・虚勢
そしてドラマのヒロインかのような
黒く深い思い込みの世界




アホで単細胞な男は
いくつになっても幼稚で
物語の小道具にすぎない


女性特有の
例のスイッチオン・オフのタイミングを
鮮やかに描ききっており
これが物語をより一層際立たせている


やはり女性は怖い

最初に収録の「泥棒」が特に良い
一気に心を乱されてしまった
そして乱されたまま最後まで一気だ

最後の「誘拐」は
オチが読めてしまった

予想以上にやさしい終わらせ方であった

やや物足りない

もっとひどい終わり方を
期待していた自分は
よほど心が貧しいのだろうか…

最後に
もし自分に赤ちゃんができたら
赤ちゃんの世話を奥さんに任せっきりにせず
いろいろとサポートしなくていけないなぁ
と強く思わせてくれた作品であった

独身女性にオススメ

第147回直木賞受賞作品
(受賞に値する内容と言えよう)


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